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「先輩、ちょっと困りごとがあって相談したいんですけど・・」

と言われると、「しょうがないな」と口では言いつつ、内心では頼ってもらって少し誇らしい。人は「問題解決を頼まれる」というシチュエーションに弱いものです。ついつい、必要以上にアドバイスしたり、踏み込み過ぎたり、そんな経験はしょっちゅうあります。

さて、「問題解決を頼まれる」職業と言えば名探偵(問題というより事件の解決と言うべきでしょうね)。名探偵と言えば金田一少年でしょう。金田一少年は、行く先々で殺人事件に巻き込まれます。事件があるから金田一少年が訪れるのか、金田一少年が行くから事件が起きるのか。そのあたりの因果関係は定かではありませんが、金田一少年は気づけば事件と関わることになり、いつしか解決へと導いていきます。

コンサルタントという職業も、金田一少年ほどではありませんが、問題解決を期待される機会が多くあります。「メンバーの育成が思うように進まなくて・・」「ビジョンはつくったけど意思統一ができてなくて・・」そうした依頼が来るとすぐ”問題解決スイッチ”が入ります。「それはコミュニケーションの質の低さが問題ですね」「メンバーどうしの相互理解が不足しています」など、自動的に「何が問題か?」を考えることが習慣化しているように思います。

でも本当にそれでいいのでしょうか?

コンサルタントの介在が問題をややこしくする?

コンサルタントの本来の役割とは何でしょう?私にとっては、本質的な課題をクライアントとともに探求し、クライアントによる自律的解決を後押しすることだと考えています。そう考えれば、コンサルタントはいずれ不要になって、クライアントが”卒業”していくのが自然なかたちです。もしくは、クライアントのステージが変われば、新たなチャレンジを支援する関わりに移行していくことになります。

コンサルタントがいなくならず、しかも課題設定も変わらないのならば、それは効果的なコンサルティングではないことになります。例えるならば、金田一少年がずっと館に連泊していて、繰り返し事件が起きている状況と同じです(もちろんその都度金田一少年が出てきて、”解決”はしてくれます)。

こうしたケースでは何が起きているのでしょうか?一つの可能性は、コンサルタントがクライアントの自律的な課題解決を阻害している、ということです。コンサルタントが代わりに考えて答えを出してくれることで、クライアントがそれに依存してしまうパターンです。

もう一つの可能性としては、コンサルタント自身が問題を生み出す構造に加担してしまっていることが考えられます。クライアントに関わるうちに気づけば当事者になっていて、クライアント社内の利害関係のこじれに影響を与えてしまうようなパターンです。

さらに言えば、そもそも誰かが「これは問題だ」と言うから問題が生まれる、という側面も見逃せません。問題として切り出した瞬間に、それを解決しようとする意識の働きが生まれます。誰しも「問題が未解決のまま残っている」状態は心地良いものではありません。しかし、その代償として新たな問題を引き起こしたり、要らぬ衝突を生んだりするリスクもあるのです。最悪の場合「何もしない方がマシだった」という結末になりかねません。

こうしたことを踏まえると、すぐにコンサルタントに頼む前に、次のようなポイントをチェックしてみることが非常に重要だと思います。依頼を受けるコンサルタントの側も同様ですね。

  • 本当にそれは問題なのか?
  • 本質的な課題は何なのか?
  • その課題はコンサルタントに頼むのが良いのか?
  • その課題解決にこのコンサルタント(自分)はふさわしいのか?

これらのポイントをクリアしてはじめて、お互いにとって建設的価値のある協働関係が築ける準備が整うのです。

注:記事の内容と整合するようタイトルを変更しました。(2015.6.22)